興奮の発生と伝導
方 法
解説 アーチファクト
「アーチファクト」とは「人工物」と訳され、生体の反応ではない記録現象を指す(下図を参照)。本実験では、刺激電流が神経標本外周のリンガー液を伝わって記録電極に達して生じる。下に列挙した特徴を参考にして、活動電位とアーチファクトとを慎重に識別する。
- 伝播速度
- 非常に高速であり、アーチファクトの位置は実質的に「刺激時点」と同一である。
- 大きさ
- 適切に「接地(アース)電極」が設置されていれば小さい。試みにアースを外して活動電位を記録すれば、非常に大きくなってアース電極の設置意義がわかる。
- 持続時間
- 一般にごく短い(例えば、複合活動電位の1/100以下)が、記録系によっては変形して延長する場合もある。
以上の特徴から、アーチファクトは「刺激時点上に生じる小さな棘状の波形」をなす。