興奮の発生と伝導

方 法

「峰分かれ」の実験

刺激条件を変え、複合活動電位波形の形状(峰別れの様子)を変化させる。本実験では、『刺激電流強度』と『興奮伝導距離』を制御する。

『刺激電流強度』の変更に伴う変化

『刺激持続時間』を0.05 ms、『興奮伝導距離』を「個々の標本が取り得る最大長(要記録)」に固定し、『刺激電流強度(μAないしmA)』を変化させて刺激をおこない、複合活動電位の変化を記録する。

【重要】『興奮伝導距離』について、実際に神経内を興奮が伝導した距離を測るのは必ずしも容易でないため、この実験では便宜的に刺激と記録の「電極間距離」を『興奮伝導距離』と見なす。また、「電極間距離」は「刺激電極のマイナス極」〜「記録電極のマイナス極」)の内側の長さを測る(単位:mm)。

『刺激電流強度』は各自で決めるが、その際、複合活動電位の段階的・特徴的変化が観察される必要がある。例:「何μAから波形が出現して、何mAから何mAの範囲で峰数が1のまま峰高が増大し、何mAで第2峰が出現した。〜〜〜、何mA以上の刺激では峰数・峰高が変化しなくなった」(課題では、図表による表示が必須)

上述の例で最後に記した「数・峰高が変化しなくなる刺激電流強度」の最小値を、以後「最大強度」と呼ぶ。

『興奮伝導距離』の変更に伴う変化

『刺激持続時間』を0.05 ms、『刺激電流強度』を「最大強度の2倍(但し、最大でも2.0 mAとする)」と固定し、『興奮伝導距離』を変化させて刺激をおこない、複合活動電位の変化を記録する。なお、1 mA以上の刺激をおこなう場合には、Range(Output Range)の設定を10 mAとしなければならない。

『興奮伝導距離』は各自で決めるが、「個々の標本が取り得る最大長」と「神経チャンバの可動範囲から可能な最短長」を両端とする複数の長さとなる。またその際、複合活動電位の段階的・特徴的変化が観察される必要がある。