体性感覚−表面感覚−2点識別閾の測定

方 法

概 要

  1. 被験者は閉眼する
  2. 検者は、デバイダの間隔を大きく広げ、被験者の測定部位(本文を参照)をデバイダの先端を用いて二点同時に刺激する
  3. 以下を順次繰り返す
  4. 同一の測定部位と測定条件(本文を参照)について、3回の測定を繰り返す

進め方・一般的な注意

  1. 被験者は、刺激の際の視覚情報を遮るため、閉眼するか、アイマスクを装着する
      アイマスク装着後は、転倒による事故を防ぐため、立ち歩かない
  2. 周囲は静粛を保ち、被験者が実験に集中できるよう配慮する

測定部位

以下に示した部位を、順番に調べる。
  1. 手 背
  2. 下 唇
  3. 腓腹(ふくらはぎ)
  4. 示指の指先
  5. 上腕外側部

測定条件

以下に示した2つの条件のうち、「縦軸条件」で刺激する。
縦軸条件
直立した際に垂直となる方向(脊椎や、四肢の長骨に沿う方向)を「縦軸方向」と呼ぶ。縦軸条件では、デバイダの向きを縦軸方向に合わせる
横軸条件
縦軸方向に直交する方向を「横軸方向」と呼ぶ。横軸条件では、デバイダの向きを横軸方向に合わせる

測定手続き

  1. 学籍番号順に2人1組のペアを作る(一方を「検者」、他方を「被験者」とする)。検者と被験者は適宜役割を交替し、全員が自分自身のデータを得る
  2. 被験者は閉眼する
  3. 検者は、被験者の測定部位をデバイダで刺激する。このとき、
  4. 刺激後、検者は被験者に「今の刺激を二点と感じたか、一点と感じたか」を問う
  5. 次項にしたがい、繰り返しをおこなう

繰り返し

同一測定部位および同一条件について、3回の繰り返しをおこなう。実験の順序は以下に示す通りとする

  1. 「手背」について3回繰り返す
  2. 「下唇」について3回繰り返す

測定値のチェック

各個人の2点識別閾は、測定部位および測定条件ごとに平均値を求める。これらの平均値について、「すべての測定値のうち最大値/同、最小値」という比を算出する(最小値が「0 mm」だった場合は、除算ができないので、便宜的に「0.1 mm」として計算する)。

算出された比が「10」を超えない場合には教員に相談して指示をあおぐ。

実験データの記録

「1被験者の1部位に関する3記録」はまとめずに使う

どのようなデータを幾つ記録しなければならないのかを事前によく検討し、予め記録用紙を準備する。

記録は、事前に作成した記録用紙に記入しても良いし、Excel ワークシートに入力しても構わない。但し、グループデータを取りまとめる際に他人に見せるものであるため、わかりやすく工夫する必要がある(ノートの片隅に数値だけを殴り書くなどは論外である)。

なお、記録用紙に関しては、事前に書式をクラス全体で検討し、同じものを使用して一向に構わない。