検者がLabChart画面の右下にある「START」ボタンを押せば、記録が開始される(同ボタンの表示は「STOP」に変わる)。記録を止める際は、その「STOP」ボタンを押す。
被験者が腕を力強く屈伸した際、図1に示したような「良好な記録」が得られるまで(すなわち、以下に示した「1., 2.」が満たされるまで)、電極の貼付状態を工夫する※。
- EMGそのものが記録されているか?(不良な記録例、図2)
- EMGのS/N比(基線の太さに対する記録の大きさの比)は適切か?(不良な記録例、図3)
S/N比は、いずれのEMGについても「最低でも5.0以上(すなわち、記録信号の電位が基線の太さの5倍以上)」を確保したい。
※ 不良な記録と判断されたならば、電極の貼付状態を改善する。点検の観点をいくつか記す:
- 筋の走行に沿っているか?筋の走行は、被験者の対象筋に力を入れさせ、視察および触診して確認する。
- 電極の貼付は十分か?粘着包帯を広く用いて、体動に伴ってずれたり剥がれたりしないよう固定する。
- 電極間距離は適切か?(上述参照)
- なお、電極の貼付位置を1 cm程度並行移動させれば記録状態が改善されることがある(筋腹の神経支配帯との位置関係を変える)。
それでも改善が見られない場合には、教員に相談する。

良好な記録が得られたら、粘着電極の上から粘着テープを貼付して電極位置がずれないよう固定する。
なお、ここまで(「記録の確認」)は「腕の屈伸運動(すなわち等張力性運動)」に伴うEMGを記録したが、以下の「実験開始」以降では「腕を動かさず、負荷(ダンベルの重量)を変化させる(すなわち等尺性運動)」の記録となる点に注意する。